一行 春入千林処々鶯又は弄花香満衣又は百花為誰開又は春水満四澤 松涛泰宏筆(宗潤)(まつなみたいこう)

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春入千林処々鶯はるはせんりんにいりしょしょうぐいす(春入千林處々鶯)
春がシズシズと山郷にやってきたようだ。いたるところで鶯が初鳴きをしている。
春入千林処々花を宗旦が言い換えた。
表千家は、この軸を初釜にかけますが、立春にも
弄花香満衣はなをろうすればかおりこももにみつ
花を摘んでいると、自分の衣も香りに包まれ、こころまで花と一体となって、清々しい境涯に至る。
「花の香り」を良い教えと考えますと、徳や良い教えに触れると、気付かぬうちに影響を受けます。そのありのままの姿が自然の真実であるということ。
百花為誰開ひゃくかだがためにひらく(百花春至為誰開)ひゃっかはるいたってたがためにひらく
春が来てたくさんの花が開くのはいったい誰に見せるためか。せっかく満地の花をなぜか見て取れないのかという意味が込められている。
春水満四澤しゅんすいしたくにみつ(春水満四沢)
春になり雪解けの水がどこの沢にも満ちあふれている。
執着がなくなって自然法爾の世界に浸る境涯でもあること。

【松濤泰宏(松涛泰宏)[まつなみたいこう]】
前大徳寺 鷲峰山、寿福寺第50世住職(福岡県)
1960年昭和35年 生まれ
1972年昭和47年 得度
1982年昭和57年 臨済宗大徳寺派、別格地、崇福僧堂初掛塔
1984年昭和59年 福岡大学卒業
1987年昭和62年 臨済宗大徳寺派、別格地、崇福僧堂再掛塔
1990年平成02年 臨済宗大徳寺派、三等地寿福寺住職
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【寿福寺】山号 鷲峰山 福岡県福岡市
京都 紫野 臨済宗大本山 大徳寺派に属する
1190年代に臨済宗の開祖
明庵栄西禅師(建仁寺開祖)によって禅宗に改宗され江戸末期から明治の初期に大徳寺派の末寺になる
サイズ約紙幅約31×縦171cm
約軸先36cm
作者松濤泰宏筆(松涛泰宏筆)[まつなみたいこう]
箱書付
木箱
(R4/野目丸中)・53240)弄花香満衣:12ケ月
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